今日は、昨今問題になっている、民間企業による国家公務員の接待の問題。
このことについて、ちょっと別の角度で、私が気にしていることについてお話をしたいと思います。
いつも思うのですが、この手の問題が出ると、まず「誰が」ということに注視されがちです。
もちろん、そうやって真相を究明していくことも大事だとは思いますが、本来、制度や予算を議論する場である国会では、どうやって再発を防止するのか、この点を議論するべきではないでしょうか。
過去にも、有力な政治家に対して献金や接待を行う事、古くは「リクルート事件」と言ったものもありましたが、そういったことが問題になり、政治資金規正法が改正されました。
今度は国家公務員、官僚に対してもそういったことを行っていく必要があります。
もちろん、公務員倫理規定があるので、今回の問題に関して言えば、違反していることは間違いありません。
しかし、中身を見てみると、金額がどうこうではなく、そもそも接待を受けてはいけないのにご馳走になり、帰りのタクシー代まで支払ってもらう。
それをOKしてしまうというところに、やはり人の弱さというものがあるのだと思います。
そうであるのならば、人の弱さを突かれないようにどうするか。
まずは、利害関係者から利益誘導を持ちかけられるかどうかに関わらず、そもそもその場にいたときは有無を言わさず罰則の対象になる、そういった規定の整備が必要ではないでしょうか。
少なくとも割り勘で食事をしたのならともかく、ご馳走になり、タクシー代まで出してもらって、しかし話の内容には、そういったものが無かったのでいかにも問題がない様な言い方は、まさにミスリードされているといっても過言ではないでしょう。
大事なことは、その場にいたこと自体が既に問題であるという事です。
そしてそれを起こさせないためには、そういったものをすべて報告させる。
そして、その報告された内容を国民に広く発表する。
もし隠し事があったり、嘘があった場合には、即座に厳しい罰則が科せられる。
その様に規定するべきではないでしょうか。
実際、例えば東京都では、小池百合子都知事が就任した際にまず行ったことが、議員やその他の人、つまり役所以外の方から何らかのお願い事をされた時には必ず記録に残し、そして定期的にその内容を発表するというものでした。
これによって、東京都の職員の方々に、議員やあるいは様々な関係者からお願い事をされることが少なくなったという風に聞いております。
これはもちろん、知事自身がお願い事をした場合も含まれます。
つまり、先ほど言った公務員だけではなく、政治家からもそういったものがあった場合にはすべて記録に残し、そして必ずそれが世の中に公表されるということにしておけば、何ら負い目の無いものであれば、堂々と公表すれば良いでしょうし、そして負い目のあるものについては、役所の人自らが断るようになるでしょう。
なぜなら、自分の人生をかけてまで受けなければいけない話かどうかということになるからです。
私はそういった厳しい制度が必要であると考えます。
特に政治家側からそういった制度を提案していくことこそが今必要なことであり、倫理規定に違反したかどうかの調査というのは、司法や、あるいはしかるべき部署に任せていく。
国会ではやはりそういった制度の話を中心に行っていくべきだと考えております。
大事なことは「誰が悪いか」ではなくて、「どこに問題があるか」。
そして、同じ問題が二度と起こされないためには、どのような制度設計をしていったら良いのか。
この観点で議論をする国会議員をもっと増やしていかなければ。
そのためには、私もしっかりと頑張らなければいけないと思いを新たにした次第でございます。
あさの克彦
国民民主党埼玉県第4区総支部長
昭和49年9月 北海道札幌市生まれ
元上田清司事務所 所長
元東京都議会議員