豊洲新市場の視察を行いました 2016.9.12

11月に予定されていた移転の時期が延期されたり、盛り土の問題で、何かと話題の豊洲市場を都議会民進党の会派で視察しました。
9/12配信のニコニコ生放送「居酒屋空間」でも視察についてお話させて頂きました。
ニコ生会員の方は、1週間タイムシフトでご覧になれます。
http://live.nicovideo.jp/watch/lv275754611
それ以降は、ホームページに動画をアップしますのでニコ生会員以外の方は少々お待ちください。
実は以前からずっと視察の申し入れを行っていましたが、なかなか了承してもらえず、今回ようやく実現しました。
動画撮影の許可は下りませんでしたが、写真を撮影してきましたので、ご報告させて頂きます。
トラックの荷物を積み下ろしするスペース。
スペースの関係上、トラックを横付け出来ないので、作業がしづらいのでは、と言った声がありました。
確かに、そういった意見もわかりますが、個人的には、やり様はいくらでもあると思いますので、この場所に関しては大きな問題がある様には思いませんでした。
荷積みスペースを内側から見たところです。
二重扉になっており、荷物の積み下ろしをする際、場内の温度が上がるのを防ぐ作りになっています。
セリの様子を一般の方が見学できるスペースです。
見学者が誤ってセリ中のマグロなどに触れてしまわない様、セリ会場とは仕切られています。
仲卸の作業場。
築地より狭くなって、作業がしづらい、という意見もありましたが、横幅は確かに狭くなっているかもしれませんが、実際は面積だけで言うと築地より広くなっています。
マグロ包丁などの大きな包丁だと、包丁をひいた時に区画の仕切りにあたって作業ができない、という声もありますが、築地市場は古い施設なので、現在は食品衛生法が変わり、マグロを扱う作業場の隣にエビを扱う作業場を作る場合など、違った食材を扱う作業場の間には、仕切りを作らなければいけない決まりがあります。
築地市場は法改正前に作られた施設なので、その決まりは適用されていませんが、新たに作る施設に関しては、法律で定められているので仕方がない事です。
ちなみに家賃はもちろん高くなりますが、2区画分使用することも可能です。
写真は2区画分をつなげた様子。
ターレーと呼ばれる、荷物運搬用の小型トラックが移動する通路。
既に何度も試験的に走行しているため、うっすら車輪の跡が残っています。
各産地から魚などが運ばれてくる水産卸売場と、飲食店など一般の方が買える仲卸売場をつなぐ通路。
現在の築地市場では、この通路が狭く、ターレーがすれ違えず事故が多発していますが、豊洲ではかなり広くとってあり、ターレー45台が同時に走れる作りになっているそうです。
今回問題となっている地下空間。
土壌汚染対策で盛り土をした部分を掘って地下空間が作られています。
写真でもわかるとおり、たくさんのパイプが走っていますが、これらのパイプのメンテナンス用に設けられたスペースだそうです。
大学では化学専攻でしたので薬品のにおいはわかるつもりですが、ベンゼンのにおいはしませんでした。
所々、水たまりがあり、共産党の方は決めつけたように地下水が出ているとおっしゃっていましたが、説明によると、防水対策を行っていないため、市場の作業場で掃除した水や、雨水がコンクリートから染み出てきているという事でした。
水を使う施設の床工事に防水処理をしていないのも問題ですが。
写真ではわかりづらいですが、柱や壁の付近にのみ水たまりができており、中心部は乾いていましたので、接合部から染みだしているのがわかります。
今回写真に写っている水が雨水なのかは検査すればわかると思いますが、防水対策をしていないという事は、汚染された土壌から地下水が染みだしてきた場合も、水が入ってきてしまう可能性もあるという事です。
コンクリートは地震や経年劣化でヒビが入ることがあります。
本来、盛り土は、環境基準をはるかに上回る、地表より4.5m高く盛り土をすることによって、仮にコンクリートが割れてしまっても地下水が上がってこなくするための対策でした。
メンテナンス用とは言え、その盛り土を掘ってスペースを作るのは問題です。
技術的には、限られた予算の中で、ここにスペースを作るのが合理的なんだと思います。
問題は、その設計に対して許可をし、何の報告もなく進めてきた東京都の姿勢です。
市場の移転に関して、我々の会派は当時議論を重ね、土壌汚染対策について重要視してまいりました。
当時の石原都知事が予算委員会で、議会の付帯決議に則ってしっかり対策をする、と答弁し、土壌汚染対策をすることを条件に我々は予算案に賛成したのにも関わらず、今回のような裏切りともいえる様なことがあると、疑心暗鬼にならざるを得ません。
また、今後確認しなければいけませんが、今回の件について、与党に対して東京都側から報告があったのかという事も、大きなポイントになってきます。
与党の自民・公明の都議団も知らなかったのであれば、議会に対する都の背信行為になります。
与党に報告があったのであれば、与党側への追及も避けられません。
もちろん我々が悪くないというつもりはありません。
もっと出来ることがあったのではないかという反省もあります。
しかし、今回のようなことがあると、都の説明が信用できなくなってしましまい、一つ一つの議案に対して、すべて現地に行って自分たちの目で確認しなければならなくなります。
今回の問題に対しては、責任の所在を追及することも大事ですが、今後どのような対処を行うのかが大事だと思いますので、引き続きしっかりチェックしていきます。
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